月夜の蟹


ようこそのおはこびで      厚く御礼申し上げます
by 白虎
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誰の心にも闇が

死ねばいいのに

死んだ女のことを教えてくれないか―。無礼な男が突然現われ、私に尋ねる。私は一体、彼女の何を知っていたというのだろう。問いかけられた言葉に、暴かれる嘘、晒け出される業、浮かび上がる剥き出しの真実…。人は何のために生きるのか。この世に不思議なことなど何もない。ただ一つあるとすれば、それは―。

京極夏彦のファンであると云う以前に、タイトルに惹かれた。
なんとあからさまで強い「呪詛」の言葉をもってきたものだろう。
けれど、読み始めてすぐにタイトルから想像していたものとは全く違うものを感じた。

若く、一見して軽薄そうな死んだ女の事を聞き回る男は、自分を無知だと言いながら、
その女と関わった人間それぞれの心の核心を突き、暗部を浮き彫りにして行く。饒舌に。
残酷な言葉の裏にある真理。
なぜ、死なない?
なぜ、死ねない?
畳掛けるように問い詰める男の言葉に、自らも追い詰められて行く錯覚…。
目眩がする。

購入してから、一晩で一気に読んだ。
読後に爽快感などまるで無い。
むしろ粘り着くような情念と云うか、底の知れない昏い感情が残る。
断っておくけれど、これは褒め言葉。
さすがです、京極センセ。
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by baihu667-shie | 2010-05-19 19:26 | Favorite books
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